千年医師物語 ペルシアの彼方へ
原題:The Physician
制作年:2013年
制作国:ドイツ
監督:フィリップ・シュテルツェル
出演:トム・ペイン
ベン・キングズレー
ステラン・スカルスガルド
T:そうだね、まず…あのさ、分かる?あの中世ヨーロッパの服装とか、理髪師とかいう怪しげな職業とか。そういう世界観惹かれる。
ファンタジー感があって入りやすいのよ。ペルシアの街並みとかさ。
もう何て言うのかな、
俺あのセットだけで観られる!
ご飯も食べられる!
って感じ。
某人気週刊少年漫画雑誌の漫画じゃないけれど、主人公が初心を忘れず成長しているところが良いし、イブン・シーナもとても人格者で観ていて気持ちが良かった。
それからねぇ、これがすげぇ良い映画だなぁと思うのが、ある程度ハッピーエンドなところ。少し上手く行きすぎな所もあるけれど、良いんじゃないかな。
Y:ハッピーエンド好きだもんね。
T:ハッピーエンド好き。俺。
考えさせるエンディングも議論する余地があって好きだけどね。
まとめると、面白い世界観に浸りながら気持ち良いストーリーを観せてくれて、クローズがちゃんとしているから日曜日の夜に安心して観られる映画。
良くも悪くも心をザワつかせない。
Y:ザワつかせない…?
T:表現するのが難しいな。
変に感情的にならずに冷静に観られるってことかな。
だからって感動がないわけではないし、ファストファッションみたいに「あー観終わった」で終わってしまうものでもないよ。んー何か分かる?その感じ。
Y:…。
T:あの、イブン・シーナは素晴らしいね。
Y:あれ、まとめたから終わりじゃないの?
T:…。
Y:わかったよ。どうぞ。
T:彼はさ、弟子に追い抜かれても素直に弟子に教えを乞うことが出来る人格者。
上司にしたい人No.1。
本当に上司にしたい。
最後の方でね、イブン・シーナが今まで自分が人体について書いてきた論文について
“これはもう違う”
って自分で燃やしちゃうんだけど、あの時は本当に色々な感情が渦巻いていたと思う。
多少の悔しさもあったんじゃないかな。
このシーンでこの人の人間らしい部分が見えたし、より偉大な人だなという印象を受けた。
強く心に残っているシーンだよ。
凄く色々なことを考えてしまうんだけど、決して重い話じゃないの。サクセスストーリーだもの。
でも常に “死” が近いところにあって、ひとつひとつのシーンはとても考えさせられる。
だから何度も観たくなるね。
…あんまり細かいこと言う人にはオススメしないけど。
Y:何となく先が読めちゃう映画。
映画のお供
みたらし団子